活性酸素と病気(1)

活性酸素は万病のもと

肥満は活性酸素の標的です。

肥満は必ずしも病気とは言えませんが、あらゆる病気のもとになることは間違いありません。

そして、同時に痩せすぎも病気のもとですから標準体重を維持することを心掛けなければなりません。

 

しかし、特に肥満は活性酸素の標的が正常な人に比べてたくさんあって攻撃にさらされているという状態ですから、何はさせおいても標準体重に戻すことが急務です。

一般に肥満と言っていますが、単に体重が増加しているというだけではなく、正しくは体の中に占める「脂肪の総量」が基準をオーバーしていることを言います。

ただ、これまでは脂肪の総量を簡単に測定する方法がなかったので、身長と体重の割合を基に計っていました。

以前は身長から100を引いて0.9をかけたものを標準体重としていましたが、現在ではこれでは少しやせ過ぎと考えられるようになりました。

最近では脂肪の量を測るメーターが出来ましたので便利になりました。

筋肉と骨と脂肪では電導率に差があるので、この原理を応用して測るものです。

脂肪の標準値は、30歳以上の場合、男性で17~23パーセント、女性で20~27パーセントが適正値です。

これを超えると肥満となります。

また、皮下脂肪を超音波で測るメーターも開発され実用に供されるようになりました。

スポーツクラブなどに設置してあるところで健康管理のためにも計ってみることをお勧めします。

脂肪は中性脂肪ともいわれ、グリセロールに脂肪酸が3個付いたものをいいます。

ですから別名トリグリセライドともいいます。

「トリ」は3つという意味です。

この脂肪は、食事として口から入って腸管で吸収され、体の中で消費されますが、余分が出ると保管しておいて必要なときに再利用される仕組みになっています。

今日では日本では食糧が不足する心配はなくなっていますが、大昔は食料がなくなることも多く、体の中にちゃんと保管しておく設備が作られていたわけです。

この保管設備は、皮下や臓器の周辺にあります。

脂肪細胞という専用の細胞があって、ここに保管されます。

肥満というのはこの脂肪細胞が数として増えたのではなく、1個の細胞が膨らんだ状態なのです。

大変収容能力の高い細胞で、たくさん脂肪をため込むことが出来ます。

しかし、小児期の肥満では脂肪細胞の数が増えてしまうことがあり、これは大人になってから標準体重に戻すのに大変苦労をしますので、この時期に脂肪細胞の数が増えないように肥満に用心しなければなりません。

このように肥満は、一口にわかりやすく言えば、脂肪の垂れ流しという状態で血液の中にもこの脂肪が多く出てきますから活性酸素の標的になるチャンスは増大しますし、様々な病気の原因になります。

ですから、肥満は必ず正常に戻さなければならないのです。

 

糖尿病の活性酸素の仕業?

糖尿病には、若い時にかかるものと、熟年期になると発病するものとに大きく分けることが出来ます。

若い時に発病する糖尿病は、すい臓にあるインシュリンというホルモンを分泌するランゲルハンス島の細胞に障害が起きてインシュリンが分泌されなくなってしまった糖尿病で、これはインシュリンを常に外から供給してやらなければなりません。

一方、熟年期になってからかかる糖尿病はインシュリンの分泌が弱まって起きるもので、早期に発見されれば食事のコントロールで悪化を防ぐことが出来ます。

ここでは、熟年期に起きる糖尿病について、活性酸素とのかかわりあいを探ってみることにしましょう。

最近、糖尿病と活性酸素とのかかわりあいも話題になってきました。

タンパク質が糖と結びついたものを糖化タンパクといいますが、糖尿病ではこの糖化タンパクが増加します。

糖尿病はもともと血中の糖の値が高いのが特徴で、こうした糖化タンパクが増加する傾向があるようです。

悪いことに糖化タンパク質は活性酸素の発生源でこれがもとになって酸化が起こり、血管の障害につながるのではないかと考えられるようになってきました。

糖尿病の患者の血液の中には過酸化脂質が多く、こうした糖化タンパクと過酸化脂質の因果関係はまだ立証されてはいませんが大変興味深い現象です。

確かに糖尿病患者の血中にはSODやビタミンEが少ないことが観察されていて、こうした酸化防止物質が多く消費されていることを裏書きしています。

糖尿病は様々な合併症を伴います。

その一番怖いのは血管の障害で、特に腎臓、網膜といった毛細血管の多く集まっているところに異常が出やすいのが特徴です。

これも活性酸素との関係がどの程度あるのかは今後の研究まで待つことになりますが、その関係は濃厚になってきました。

糖化タンパクは糖尿病になると増加が促進されますが、必ずしも糖尿病でなくとも年とともに少しずつ増えていくものです。

したがって、老化とも深い関係があるようです。

さらにインシュリンを分泌する膵臓のB細胞は活性酸素を消去する抗酸化システムが手薄なところであるために、活性酸素の攻撃を十分に防ぎきれないという問題があります。

糖尿病も活性酸素が関与しているという事ですから、糖尿病の食事療法を一層正しく守ることで血糖値を安定させることが病気を悪化させないことになりますし、家系的に糖尿病の可能性の高い人は若いうちから食事には注意をしておくことです。